イタリアのコンテ首相は、4月10日の記者会見で、「我々はもうすでに急性期を過ぎ、第2段階に突入している」と言った。
ウイルスが完全にイタリアからいなくなるのを待たず、ウイルスと共生しながら、徐々に安全に産業を再開させていくと言う。
しかし、保育園や小中高などの教育機関は、再開の目処がたっていない。
労働者からは、子供を預ける先がないのに、どうやって仕事をするのかという声が上がっている。
あるフリーランスの女性ウェブコンサルタントは、フェイスブックにこんな投稿をした。
「段階的に仕事は再開するけど、保育園と学校はオンラインでの授業があるので、閉鎖されます(笑)
ああ、おじいちゃんおばあちゃんは、頼りにならないし(もちろん、危険を冒したい場合は除いて)。
子供がいる人は、どうしろっていうの?
朝トイレに閉じ込めて、夕方になったら出す?
夏にはどんなすごい計画が待っているのかしら?今年は夏の子供キャンプに、どのくらいの資金が回るのか!
出生率の低下について議論するなら、まず役所のウェブサイトで手続きに2時間かけてみてよ(モチベーションが上がるわ。ウォーミングアップよ。)
それから、いくつかの家で3週間のインターンシップをして、実際の家庭を体験してみて。」
イタリアのお役所
イタリアでは、子供が生まれると政府から補助金がもらえるのだが、手続きにすごい時間がかかる。
待ち時間もすごいし、窓口が空いている時間も、週三日のうち一日3時間など。
窓口によって、空いている時間もバラバラだし、分かりづらいので、一度行っただけで手続きが終わることは、まずない。
私の場合、手続きしたものの、3種類の補助金のうち2種類は、向こうの手違いで、結局振り込まれずに終わってしまった。
失業保険などの申請も、人件費削減のため、窓口に行っても追い返され、「ウェブサイトからやってくれ」と言われる。
ちなみにイタリアの出生率は、2019年に女性一人当たり1.34人。
他のヨーロッパの国では、フランスは1.92人、イギリスは1.79人、ドイツは1.57人。
日本は1.43人でなので、イタリアは日本より出生率が低いのだ。
私たちの生活を知らない政府
経験してみないと、他の人の気持ちや状況って、なかなか理解できないものだと思う。
だから、この投稿をしたコンサルタントは、「インターンをしてみて」と言ったわけだ。
でも、インターンしなくても、ちゃんと自分の気持ちを代弁してくれる人が代表になればいい。
だから、女性の国会議員が必要なんじゃないか。
だから、庶民の代表が必要なんじゃないか。
国民の声がわからない国会って、なんなんだろう?
国会って、国民の会じゃなかったんだろうか。
日本でも、現金給付は貯金に回ると言って、商品券を配ろうとするオカネモチの大臣がいる。
コロナ対策の補助金も、申請がシンプルになることを祈る。
コメント
List of comments (3)
すごく面白い!
イタリアは大家族なイメージあるから、出生率が日本より少ないなんて驚きです。
子育て支援が整わずして、働けと言われ戸惑うのは同じ。根幹的な問題解決、支援こそが大事なのにね。
かずえちゃん、ありがとうございます!
イタリアは確かに大家族多いと思いますが、女性が家事をする伝統も強く残ってます。
もちろん、財政的に豊かじゃないから、子育て支援策に乏しいのも理由の一つだと思います。
男性も養ってくれないし、国も養ってくれないとなれば、賢い女性は子供なんか産まないのかも。
いくつかのイタリアの家庭で、男性が完全に家事をする家もありましたが、なかなか、そんな男性はいないですね、、、
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