来年の10月、イタリアの首都ローマで、G20が開催される予定だ。
今年はコロナの影響でテレビ会議となったので、もしかして来年もオンライン形式かもしれないが…。
こちらが、英語字幕付きの、プロモーション動画(2分)である。
なかなかカッコイイ動画なので、是非見てみてほしい。
2021年のローマ・サミット PV
この動画でコンテ首相が語った内容を、引用する。
「G20のイタリアの任期が、始まりました。
イタリアは、これから1年間、集中してこの任務にあたる用意ができています。
グローバルな課題に答えを出していき、「今、明日の世界をつくっていく」という期待に答えます。
私たちの子どもに、より良い地球を手渡しするために。
イタリアは、この国の美しさ、歴史、そして未来を形づくる能力を示すことで、この課題に向き合うため、全力を尽くすでしょう。
そのために、私たちは一致団結して、世界中で猛威をふるうパンデミックを乗り越える努力を怠りません。
古くからある格差や、近年生まれつつある格差をなくすため、よりフェアで公正な経済の再生を促進する、様々な手段やアクションを打ち出していきます。
女性に権限を与え、女性の影響力を拡大することが、我々のアクションの大事な核となるでしょう。
エネルギーの転換を加速するような政策を進め、気候変動と戦っていきます。
我々の後に来る人々に、よりグリーンで、持続可能(サステイナブル)な世界を残していくために。
デジタル化が進むこの機会を逃さず、デジタルをみんなが使えるようにするよう、一致団結していきます。
透明性があり、世界中の人々にとって平等な、グローバルな貿易・取引のシステムを強化するため、力を合わせます。
これらのことを我々は、開かれた形で、積極的に実現していきます。
「人間」、「地球」、「繁栄」。
この3つが、イタリアのG20の支柱となります。
サミット開催の日まで、我々を結びつける、3つの北極星となります。
来年の10月30日と31日、イタリアの首都である永遠の都ローマにて、これらの努力の実を収穫することになるでしょう。」
2020年サミットを終えて
人間・地球・繁栄を3つの目標としたイタリア。
「人間」の目標のためには、格差をなくし、女性の権限を強めていくことが何より大事だと語った。
「地球」の目標のためには、エネルギーの転換を国としても推し進めること。
「繁栄」の目標のためには、誰も取り残さないデジタル化と、グローバルなビジネスでの公平性の必要性を語った。
11月23日には、今年のビデオ会議でのサミットが終わり、来年のG20の目標について、
「より安心で持続可能な世界を作っていくためには、何よりも人間と自然のバランスを取り戻すことが大切です。」
と強調した。
そして、そのバランスを取り戻すことができたならば、
「その土台の上にのみ、経済の再生をしていくことができるでしょう。」
と語った。
この辺りが、「経済」「政治」一辺倒の政治家と一線を画す、元大学教授らしい発言である。
そして、SDGsの原則でもある「誰一人取り残さない」必要性についても強調した。
女性の権力の拡大、格差や不平等をなくすこと、気候変動への対策、エネルギー転換、そしてフェアなグローバルビジネス。
SDGsの共有は、もはや近代国家の一員たる証となったようだ。
そして、コロナから得た大きな教訓として、
「グローバルな問題は、一つの国だけでは決して解決できない」ことを挙げた。
「今日の、密接な世界、お互いに依存した世界、多国間主義というものは、未来の可能性の一つではありません。
持続可能な未来は、そのような形によってしか、訪れません。」
と断言し、
「皆さんの力を借りることができることを、強く期待しています。」
と、国民へのお願いをした。
まとめ
コンテ首相がG20に向けての抱負を語った動画は、言葉のチカラにあふれていた。
コンテ首相は「喋ってばっかりで、実際に何も動かない」と言われることもあるが、「私たちが、これから進む道」を言葉でしっかり国民に伝えられるリーダーは素晴らしいと思う。
政策の実行には、時間がかかったり、理想通りにいかないこともあると思う。
だけど、私はこの首相が描く「未来」のビジョンに賛同するし、共有していきたいと思う。
さて、我らが日本の首相の抱く未来の日本のビジョンは、どんなものなのだろうか?
動画でもいいし、記者会見でもいいのだが、せめて未来を言葉で描いてみて欲しいと思うのは、私だけだろうか。
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