夢見るトッポ・ジージョ

 

イタリア語を教えていて、教室で生徒さんにミッキーマウスをイタリアではトポリーノというという話をした時のこと。

「あ、トッポ・ジージョって、それでトッポって言うんだ!」という反応をいただくも、私はトッポ・ジージョを知らなかった。

たまたま、次のクラスでも、生徒さんの方からトッポ・ジージョの話題が振られた。

聞いてみると、「ミッキーマウスなんかより、ずっと面白いですよ!」とのこと。

なんと。

それは、ぜひ観てみなくては!!

でも、これは、イタリアのアニメなの?

それとも、日本のアニメなの?タイトルはイタリアっぽいけど。。。

そんな疑問を探りながら、Topo Gigio の公式サイトなどを元に、60年のトッポ・ジージョの歩みを、映像と共に振り返ってみた。

人形劇の子供番組「トーポ・ジージョの物語」が放送開始

トッポジージョは、イタリアで、マリア・ペレーゴによって産み出されたパペットの名前である。

トッポと言うのは、実際にイタリア語で言うとトーポに近く、「ネズミ」という意味である。

ジージョは、ルイージ の愛称。

つまり、ネズミのルイージ のことだ。

1959年に、イタリア国営放送の番組「アルタ・フェデルタ」の中で放送され、1960年には、人形劇「ストーリエ・ディ・トーポ・ジージョ(トーポ・ジージョの物語)」として、週一回の子供番組がスタートした。

1961年にはイタリア国内で映画化され、マンガも「コリエーレ・デイ・ピッコリ」という、週刊マンガ雑誌に連載された。

Di Anna Maria Maresca – http://e-filatelia.poste.it/showSchedaProdotto.asp?id_prodotto=11444&id_categoria_prodotto=281&id_catalogo_prodotto=1041&lingua=, Copyright francobolli, https://it.wikipedia.org/w/index.php?curid=3178297

「カロセッロ」でクッキーの宣伝

同じく1961年には、「カロセッロ」という番組の中で、パヴェジーニというメーカーのクッキーを紹介する宣伝番組の中に登場した。

パヴェジーニは、イタリアのスーパーではどこでも買えて、ティラミスを作るときによく使われるが、そのまま食べても美味しい。

この番組を見て、そんなに昔からあったのか、、、と驚いた。

アメリカの「エド・サリヴァン・ショー」の常連客に

トッポジージョは、海外でも大変人気で、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、ゲルマニア、ジャッポーネ、メシコ、パエシバッシ、パラグアイ、ペルー、ポルトガッロ、スパーニャ、ウルグアイ、ベネズエラ、ユーゴスラビアのテレビに登場した。

特に、1962年から、アメリカのバラエディ番組のエド・サリヴァン・ショーは有名で、94回も出演を果たし、ほとんど固定出演者になっていたようだ。

この番組のDVDは、こちらから購入が可能だが、全て英語である。

歌番組「カンツォニッシマ」でラファエッラ・カラと共演

1974年に、イタリアの歌手であるラファエッラ・カラと、「カンツォニッシマ」という国民的歌番組で共演したが、こちらがその映像である。

ジージョと歌手の面白いお喋りの後、ラファエッラ・カラがジージョを手に載せて歌う様子は、とても愛らしい。

日本でのトッポ・ジージョ

日本でも、1966年8月からTBSの『おはよう・にっぽん』の中で放送された後、『トッポ・ジージョ・イン・ジャパン』と題して放送。

それから半年後の1967年に単独番組『トッポ・ジージョ』として放送された後、1967年10月9日から1968年1月29日まで『チャオ!トッポ・ジージョ』と題して放送されていた。

これらの放送期間中、小学館の学習雑誌『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』に石森章太郎(後の石ノ森章太郎)によるコミカライズ版が連載されていた。

また、1967年に市川崑監督による「トッポジージョのボタン戦争」が映画化された。

1988年にはアニメ化され、「夢見るトッポ・ジージョ」として有名になった。

現在、Gyaoで全話のお試し視聴が可能であるが、Youtubeでみられるのはオープニングとエンディングのみだ。

 

それがイタリアに逆輸入され、1992年から、「Bentornato Topo Gigio」として放送されることになる。

イタリア語版でのトッポ・ジージョの声は、ペッピーノ・マッズッロだ。

下のDVDは、日本で作られた「夢見るトッポジージョ」のイタリア語吹き替えが、8話収録されている。
ただし、日本のDVDプレーヤーでは再生できないこともあるので、注意が必要だ。
収録されている作品は、Dailymotion で全話視聴可能となっているので、そちらの方がいいかも知れない。

トッポ・ジージョの現在

なんと、2020年秋より、トッポ・ジージョの新しいアニメがイタリアで制作され、ネット配信されている。

1話12分で、13話のお話が、Rai Yoyo および RaiPlay で観ることができる。

リンクはコチラから。

ただし、日本からは視聴ができない。

日本からは、こちらの動画が、Dailymotion で1話だけ視聴できる。

 

トッポ・ジージョは、ユニセフ親善大使や、日伊親善大使としても、現在活躍中とのこと。

イタリアでも日本でも、若い人は知らないアニメのようだが、観てみたらすごく面白かった。

子供にも観せてみようと思う。

ちなみに、作者のマリア・ペレーゴさんは、「私とトッポ・ジージョ」という本を出しているそうな。

イタリア語で書かれているが、興味ある方はどうぞ。

それと、こんな本が日本で出ているようだ。
「生い立ちから家族、グッズまで、トッポを案内役にイタリアの風物をたっぷり紹介します」とのこと。

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