4月5日、エリザベス女王から国民へのメッセージがBBCニュースより生放送された。
日本でもつい最近、東京都の小池知事の緊急会見や、安倍首相の緊急会見などが放送された。
多くの日本国民も、国や自治体のトップの声を、真剣な面持ちで見守ったのではないだろうか。
イギリスでは、国民がどのような思いでこのメッセージを見守ったのか。
このような女王からのテレビ放送は、彼女が王位に就いてから67年のなかで、5回目という、珍しいもの。
エリザベス女王 国民へのメッセージ
この緊張が高まる戦いのさなかにいる人々に、お話しいたします。
私たちの国に、混乱がもたらされています。
混乱は一部の人々に深い悲しみをもたらし、沢山の人々に経済的な問題をもたらしました。
そして、私たちの日常生活は一変しました。
私は、医療サービスの最前線にいるスタッフに、感謝の意を表したいと思います。
そして、ケアワーカーや、それ以外の必要な役割を果たしている人々にも。
彼らは家の外で、私たちを守るため、自身を顧みずに、彼らの使命を果たしています。
イギリス国民の全員が、私と同じように、あなたたちの働きに感謝しているに違いありません。
そして、あなたたちが頑張ってくださった分だけ、私たちは元の生活に近づいているのです。
私はまた、家に留まっている方々にも感謝します。
あなた達が家に留まることで、沢山の家族が、愛する人を失う苦しみを感じないで済んでいるのです。
私たちは、全員でこの病気に立ち向かっています。
そして、私たちが一致団結してこの困難に立ち向かうならば、私たちは乗り越えていけます。
いつの日か、皆さんが、どのようにこの戦いに挑んだのか、誇りを持てる日々が来ることを祈っています。
そして、私たちの子孫が、あの当時のイギリス人は誰よりも強かったと語り継ぐことでしょう。
自粛や、人々への思いやり、仲間意識が、この国のいいところです。
私たちが何者であるか、そのプライドは、過去の栄光に対して抱くものではありません。
私たちが今何をするか、そしてこれから何をするか、それを決めるのが私たちのプライドなのです。
私たちイギリス全土が一体となって、医療関係者などの必要な仕事をしている人々に拍手を送りました。
このことは、私たちの国民精神の表れとして、忘れられない出来事となるでしょう。
そして医療関係者への感謝のシンボルとなったのは、子供たちによって描かれた、虹の絵です。
国境をこえて私たちは、世界中の、感動的な助け合いの話を耳にしました。
食料や薬を配ったり、近所の人々を気にかけたり、救援活動のためにビジネスの内容を変えたりといったことが、各地で起こっています。
自粛する時間というのは、辛いことかもしれません。
しかし、私たちが一旦立ち止まり、考えてみる、祈りと瞑想の機会を与えてくれているのだということに、多くの人が気付き始めています。
この出来事は、1940年に私が私の妹と共にした、初めての全国放送を思い出させます。
私たちは同じ子供として、ここウィンザー宮殿から、安全な場所に疎開し、家を離れた子供達へメッセージを送りました。
今日また、沢山の人々が、愛する人と離れている悲しみを感じているでしょう。
しかし、心の奥底では、今も昔も、これが正しいことなのだと分かっています。
これまでも困難に直面してきましたが、今回の出来事は、これまでとは違っています。
世界中の国が、共に協力して、慈悲の心を持ち、また最新の科学の力を使い、お互いを助け合っているのです。
私たちはきっと、成功するでしょう。
そして、その成功は、私たちの一人一人の行動にかかっています。
私たちの努力はまだまだ必要です。
しかし我慢の先には、いつの日か、もっといい日々が戻ってくるでしょう。
友達に、また会える日がやってきます。
家族に会える日がやってきます。
私たちは、また会えます。
しかし今はここから、感謝をお伝えします。
全ての人に、暖かい祈りの気持ちと共に。
引用@https://www.royal.uk/royal-family-and-coronavirus-0
まとめ
このメッセージを聞いて、医療関係者はきっと、明日も頑張ろうと思えたんじゃないか。そして、自宅で過ごす人々も、救われたんじゃないか。
ともすれば、第二次大戦中の天皇の存在ように、人の命をもかけさせてしまう、権力というもの。
だけど、色んな国が、色んな個性を持っていることが際立った、今回のコロナ。様々な国のトップのあり方が比較されている。
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